新聞と和紙のちぎり絵絵手紙 蝶6年半前に乳がんを患いましたその頃に小林麻央さんのブログでDr.チャールズ・E・コックス博士の詩を読みました「転身 - 蝶よりバラへ」「乳がんの診断を受けたばかりの患者さんは まるで蝶のようだ逆風のなかで 翻弄する並はずれた美しさを身にまとった蝶―その世にも恐ろしい体験の渦中で進むべき道が見あたらないときも未知のゴールを目指し蝶たちは突き進んでいくその飛行は 滑らかで勇ましくもあるがときに早期の終焉にたどりつくこともあるだが その飛行を耐え抜き生き延びたものたちは種を守り抜く決意と義務によって変容するその時点で 彼らはバラに生まれ変わる威厳があって美しいがまだどこかはかなげで蝶の時代に吸っていた甘い花の蜜に満たされている逆境によって産み出されたとげが生命維持のため花に降り立つはかなげな蝶たちに尽きることのない回復と庇護の源を与えるそれは私がこのうえなく尊敬する女性たちの人生における華麗なる変容だいかにも それは転身である絶望から希望へ―意義深い第2の生への変容においてささやかだが 意味のある役割を演じることは不屈の精神に対する日々の霊感であり不変の誓約であるその局面へ入り込み 立ち去れない患者さんたちの悲しみを思うたび私は 彼女らと共にがんと闘うこと 研究を繰り返し勤勉に努力を重ねていくことを決意する蝶やバラに囲まれて過ごすことは喜びであるときに混沌として 心痛むこともあるがおおかたは美しい 価値のある時間である人生は誰の上にも悲しみや絶望をもらたすしかし 私は希望し続けるわれわれすべてが人生のもう一方の産物である美しさや希望ばかりを抱き続けることを」 ガンセンターの貸し出し文庫で初めて相田みつをさんの詩集を読んでドレーンと点滴の繋がった身体で地べたに突っ伏して泣き崩れました「いのちいっぱい自分の花を」どの言葉も自分への応援歌のようで涙が止まりませんでした皆一緒に泣きました術後の自分の身体を見て声も出さずに泣きました夜中に隣室の女性の泣き声が聞こえて一緒に泣きました手術の次の日義父が倒れて集中治療室に入り数日後亡くなりこんな不幸があるのかと泣きましたがんセンターのエレベーターの中で年配の男性に「あんたガンなの?そんな若いのにちゃんと検査したの?」と言われ部屋に帰り泣きました夜中に誰もいない時にウィッグのパンフレットを貰いに行きました精神的にも身体もダメージを受けて明け方自分の叫び声で目が覚めると隣りに婦長さんが立っていました「明けない夜はないから大丈夫よ」と仰って下さいました人知れず流した涙は数え切れません 悲しみを乗り越えて今があります