小松菜に近い愛知の伝統野菜餅菜愛知のお雑煮に欠かせないもの餅菜が入ったシンプルなお雑煮です農林水産省公式HPうちの郷土料理より歴史・由来・関連行事日本各地で、その内容に特色が現れる「雑煮」。出汁の素材や味、中に入れる具材、もちの形状など、地域によってさまざまである。正月に食べられる「雑煮」は、角餅と尾張地域の伝統野菜である餅菜(もしくは小松菜)をすまし汁でいただく、非常にシンプルな「雑煮」である。シンプルな「雑煮」の成り立ちには、大きく三つの説がある。一つ目は、尾張藩主の徳川宗春が豪華な食事を食べていたところ、将軍の徳川吉宗に叱られたからという説、二つ目は、徳川家康から続く、質素倹約の武士文化が受け継がれているという説、そして三つ目は「名を(もち)上げる」「名(名古屋)を(もち)上げる」と、縁起担ぎとして、餅と菜をかけたという説である。また愛知県といえば、八丁味噌に代表される「豆味噌」が親しまれているが、「雑煮」では味噌を用いない。その理由としては、日常的に味噌を使うので、正月などのハレの場ではすまし汁を選ぶようにしているのではないかと推察されている。しかし、現在もごく限られた地域で、味噌仕立ての「雑煮」を食べるところもある。また、愛知県の「雑煮」に欠かせないのが餅菜である。別名・正月菜とも呼ばれる。餅菜は古くから尾張地域で栽培されてきた野菜で、小松菜に似ているが、小松菜よりも柔らかく、甘味があり、アクが少ない。「雑煮」以外にも、生で食べたり、お浸しにして食べられている。