母が刺子でコースターを作ってくれました。紗綾形(さやがた)と青海波(せいがいは)という伝統紋様です。美しいですね!紗綾形卍は仏教用語で「万」の字の代わりに用いられます。「万」とは「よろず、すべて」という意味合いをもち、宇宙、無限などをあらわします。「紗綾形」とは、「卍」を菱状に崩して、連続的に繋げた文様です。「卍崩し」や「卍繋ぎ」、「菱万字」、そして、稲妻形に似ていることから「雷文繋ぎ」や「雷文崩し」とも呼ばれます。桃山時代、絹織りの一種である紗綾が中国の明から輸入されました。その織物に多く用いられた地紋であったことから「紗綾形」と呼ばれるようになりました。「卍」は、様々な文化で多様な意味を持つようです。吉祥の印の象徴や仏心の印、美徳の象徴の印、陽光の象徴などです。また、幸福や繁栄の印とされることから、「紗綾形」には幸福が絶えず繋がってゆくことや、家の繁栄、長寿の願いが込められています。「青海波」とは青海波は、広い海がもたらす恩恵を感じさせる柄で、無限に広がる穏やかな波の文様に「未来永劫へと続く幸せ」への願いと、「人々の平和な暮らし」への願いが込められた縁起の良い柄。また、末広がりの扇形にも見え、重ねて縁起が良い柄とされています。日本の伝統紋様にも幸福への願いが込められているのですね。ひと針ひと針縫ってくれた母に感謝です。